起きてから、起き上がるまで

目が覚めた。
時計は9時を過ぎていた。
少し開けたままのカーテンの隙間から、日差しが恨めしく差し込んでいる。

また始まってしまった。目が覚めた時、真っ先に思った。

何故、毎日毎日飽きもせず太陽は昇り、新しい一日とやらが始まってしまうのだろうか。
いっそ眠ったまま、世界は終わってくれていたらよかったのに。
苦しむことなく、ただただ心も身体も勝手に滅んでくれていたら楽だったのに。

そんなことを、自分もまた飽きもせず毎日考えている。
いわゆる無駄な時間だ。

時計はいつの間にか9時半を示している。
30分間、ただひたすら同じ事をぼんやりと考えていた。
その30分を他の何かに使えたろうに。

しかし、それもまた毎日思う事である。
有意義なんてくそ喰らえだ。

その無駄こそ、自分にとっては無くてはならないものなのだ。
そうしなければ身体を起こす気にもなれない。
そうしなければその日をようやく生きる気にもなれない。

とんだダメ人間だ。
それでも、分かっていても、その無駄は必要なのだ。

誰かは30分間を読書や食事の時間に充てるのと同じように、自分はただ頭の中で思考を巡らせ、答えの無い問いの答えをぼんやり探す。
それが、自分にとってのエンジンのかけ方だ。
一体誰に言い訳しているのだろう、同じように答えは無い。

時計の針はもうすぐ10時をさそうとしている。
太陽は徐々に昼の明るさを帯びていく。

結局、1時間もかかってしまった。
考えるのにも飽きた。
いい加減、そろそろ起きようか。